医道の日本 シンポジウム掲載記事

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一枝のゆめ財団がシンポジウムを開催

7月実施予定の「あん摩マッサージ指圧コンテスト」も発表

2月10日、一般財団法人一枝のゆめ財団がちよだプラットホームスクウェア(東京都千代田区)にて公開シンポジウムを開催した。

同財団は、鍼灸マッサージ療法(三療)の発展とその従事者支援のために2017年に発足。矢野忠氏(明治国際医療大学副学長)が理事長を務め、鍼灸マッサージ施術所の運営、ヘルスキーパーの派遣、学術調査の実施などの事業を展開している。今回のシンポジウムは、同財団初となる公開イベントで、「健康経営と東洋医学」をメインテーマに行われた。

シンポジウムの講演では、まず内野光明氏(特定社会保険労務士)が労働基準法改正の重要ポイントと企業の健康経営への取り組みについて解説。これから企業が持続的な成長を目指すには、働き方改革や社員の長時間労働是正が必須であることを力説した。

続いて、佐上徹氏(サービス企業専属産業医)が産業医の立場から発表。「上医は未だ病まざるものの病を医し、中医は病まんとするものの病を医し、下医は既に病みたる病を医す」という東洋医学の未病の概念を引用しつつ、労働者の健康管理を担う産業医の役割を述べた。

最後に、矢野忠氏が前述の2つの講演を受けるかたちで「労働者の健康管理としての鍼灸手技療法の可能性」と題して登壇。慢性疲労や眼精疲労等に対する鍼治療の効果を示した研究結果を紹介したうえで、鍼灸マッサージ師が労働者の健康管理に参画していくメリットを示した。その後、座長を務めた坂井友実氏(東京有明医療大学教授/同財団副理事長)、藤井亮輔氏(筑波技術大学教授/同財団専務理事)の進行の下、参加者を交えた討論が行われた。参加者からは、鍼灸マッサージ師がヘルスキーパーとして、企業内で労働者の健康管理に寄与している具体的な事例が紹介され、活発な意見交換が行われた。

なお、7月2日には同財団の主催で「第1回あん摩マッサージ指圧コンテスト2018」を開催することが発表された。同コンテストでは、あマ指師の資質向上を目的に、施術の技術や施術に関わるコミュニケーションについて審査を行い、一定の基準を満たした参加者に賞を授与するという。

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